女性の脱毛症その種類と主な原因

女性の脱毛症その種類と主な原因

薄毛や抜け毛の悩みは、男性だけでなく、多くの女性にとっても深刻な問題です。女性の脱毛症には様々な種類があり、それぞれ原因や症状の現れ方が異なります。適切な対策を講じるためには、まずどのような種類の脱毛症があるのか、そしてその主な原因は何かを理解することが大切です。最も代表的な女性の脱毛症の一つが、「女性型脱毛症(FAGA/FPHL:Female Pattern Hair Loss)」です。これは、男性のAGA(男性型脱毛症)と似たようなメカニズムが関与していると考えられていますが、症状の現れ方は異なります。男性のように生え際が大きく後退したり、頭頂部がはっきりと薄くなったりするのではなく、頭頂部や分け目を中心に、髪全体がびまん性(広範囲)に薄くなり、地肌が透けて見えるようになるのが特徴です。加齢に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少や、ホルモンバランスの乱れ、そして遺伝的素因などが主な原因と考えられています。次に、「円形脱毛症」も女性に多く見られる脱毛症です。自己免疫疾患の一種と考えられており、突然、円形または楕円形の脱毛斑が現れます。1ヶ所だけでなく、複数できたり、頭部全体に広がったりすることもあります。ストレスやアレルギー、遺伝などが誘因となることがあります。「牽引性脱毛症」は、特定の髪型によって毛根に持続的な負担がかかることで起こる脱毛症です。ポニーテールやきついお団子ヘア、エクステンションなどを長期間続けることで、生え際や分け目を中心に薄毛が進行します。また、「びまん性休止期脱毛」も、女性の抜け毛の一般的な原因です。これは、何らかのきっかけ(出産、大きな手術、高熱、極端なダイエット、精神的ストレスなど)で、多くの毛髪が一斉に休止期に入ってしまい、その数ヶ月後に大量の抜け毛として現れるものです。通常は一時的なもので、原因が取り除かれれば自然に回復することが多いです。さらに、甲状腺機能の異常(甲状腺機能亢進症や低下症)、鉄欠乏性貧血、膠原病といった内科的な疾患や、特定の薬剤の副作用が原因で脱毛が起こることもあります。これらの原因は単独で起こることもあれば、複合的に絡み合うこともあります。抜け毛や薄毛の悩みがある場合は、自己判断せず、皮膚科や女性薄毛専門クリニックで医師による正確な診断を受けることが重要です。