円形脱毛症の女性に多い原因と治療法

円形脱毛症の女性に多い原因と治療法

円形脱毛症は、年齢や性別に関わらず誰にでも起こり得る脱毛症ですが、特に女性にも多く見られる疾患の一つです。突然、円形または楕円形の脱毛斑が現れるため、発見した時のショックは大きく、精神的な負担も少なくありません。円形脱毛症の主な原因は、自己免疫疾患であると考えられています。通常、免疫系は体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を攻撃して体を守る働きをしますが、何らかの原因で免疫系が異常をきたし、自分自身の毛包(毛根を包む組織)を異物と誤認して攻撃してしまうのです。これにより、毛包がダメージを受け、毛髪が抜け落ちてしまいます。円形脱毛症の発症や悪化には、いくつかの誘因が関与していると考えられています。代表的なものとしては、精神的ストレスが挙げられます。強いストレスや持続的なストレスが、免疫系のバランスを崩し、自己免疫反応を引き起こすきっかけとなることがあります。また、アトピー性皮膚炎や甲状腺疾患、膠原病といった他の自己免疫疾患を合併している人に発症しやすい傾向も見られます。遺伝的素因も関与していると考えられており、家族に円形脱毛症の人がいる場合は、発症リスクが高まる可能性があります。その他、感染症や疲労、睡眠不足なども誘因となることがあります。円形脱毛症の症状は、10円玉程度の小さな脱毛斑が1ヶ所できる単発型から、複数できる多発型、頭部全体に広がる全頭型、さらには眉毛やまつ毛、体毛にまで及ぶ汎発型まで様々です。治療法は、脱毛斑の範囲や重症度、患者さんの年齢などによって異なります。軽症の場合は、ステロイド外用薬やミノキシジル外用薬の塗布が中心となります。症状が広範囲であったり、進行が速い場合には、ステロイド局所注射や、SADBE(サドベ)やDPCP(ジフェニルシクロプロペノン)といった化学物質を塗布して人工的にかぶれを起こし、免疫反応を変化させる局所免疫療法が行われることもあります。重症例では、ステロイド内服療法や紫外線療法などが検討されることもあります。円形脱毛症は、自然に治癒することもありますが、症状が長引いたり、悪化したりする可能性もあるため、自己判断せずに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。精神的なケアも重要となるため、医師とよく相談しながら治療を進めていきましょう。