ハミルトンノーウッド分類とは?AGA進行度の指標

ハミルトンノーウッド分類とは?AGA進行度の指標

ハミルトン・ノーウッド分類(Hamilton-Norwood scale)は、男性型脱毛症(AGA)の進行度を客観的に評価するために、世界的に広く用いられている分類法です。この分類法を理解することは、自身の薄毛の状態を把握し、医師と治療方針について話し合う上で非常に役立ちます。ハミルトン・ノーウッド分類は、1950年代にハミルトン医師が提唱した分類法を、1970年代にノーウッド医師が改訂し、より詳細で実用的なものとしたものです。主に、額の生え際の後退パターンと、頭頂部の薄毛の状態に着目し、薄毛の進行度をⅠ型からⅦ型までの7つの主要なステージと、いくつかの亜型に分類しています。Ⅰ型:AGAの症状がほとんど見られない、あるいはごくわずかな生え際の後退がある状態です。正常な範囲とみなされることもあります。Ⅱ型:額の生え際、特に両サイド(M字部分)がわずかに後退し始める段階です。まだ薄毛とは気づかれにくいことが多いです。Ⅲ型:M字部分の後退がさらに進行し、明らかなM字型の薄毛が見られるようになります。この段階でAGAを自覚する人が増えてきます。Ⅲ型には、頭頂部にも薄毛が見られ始める「Ⅲ vertex(Ⅲ型頭頂部)」という亜型も存在します。Ⅳ型:M字部分の後退がさらに深くなり、頭頂部の薄毛もより顕著になってきます。前頭部と頭頂部の薄毛部分が、まだ細い毛髪の帯で隔てられている状態です。Ⅴ型:前頭部と頭頂部の薄毛がさらに進行し、両者を隔てていた毛髪の帯がより細く、まばらになってきます。薄毛の範囲がかなり広がり、見た目にも影響が大きくなります。Ⅵ型:前頭部と頭頂部の薄毛部分が繋がり、広範囲にわたって毛髪が失われた状態です。側頭部や後頭部の毛髪は残っているものの、頭頂部はほぼ完全に脱毛しています。Ⅶ型:AGAが最も進行した状態で、側頭部と後頭部の毛髪も細く、まばらになり、馬蹄形に残るのみとなります。このハミルトン・ノーウッド分類は、医師がAGAの診断や治療効果の判定を行う際の共通言語として用いられます。また、患者さん自身が自分の薄毛の進行度を客観的に理解し、治療の必要性や目標設定をする上でも役立ちます。もし、ご自身の薄毛の状態がどのステージに当てはまるか気になる場合は、専門医に相談し、正確な診断を受けることをお勧めします。