薄毛対策として運動が推奨されることは多いですが、「たくさん運動すればするほど髪に良い」というわけではありません。実は、運動の「やりすぎ」は、かえって薄毛を進行させてしまう可能性があるため注意が必要です。適度な運動は血行を促進し、ストレスを解消し、睡眠の質を高めるなど、髪の健康にとって多くのメリットがあります。しかし、過度な運動、特に高強度のトレーニングを長時間続けると、体に大きな負担がかかり、いくつかのマイナス要因が生じることがあります。まず、過度な運動は「活性酸素」を大量に発生させる可能性があります。活性酸素は、適量であれば体内の細菌などを攻撃する役割がありますが、過剰になると細胞を傷つけ、老化を促進する原因となります。頭皮や毛母細胞も活性酸素によるダメージを受けると、その機能が低下し、髪の成長が妨げられ、薄毛に繋がる可能性があります。次に、過度な運動は「栄養不足」を招くことがあります。激しい運動は大量のエネルギーと栄養素を消費します。特に、髪の毛の主成分であるタンパク質や、髪の成長に必要なビタミン、ミネラルなどが不足しがちになります。これらの栄養素が不足すると、健康な髪を育むことができません。また、極端な運動は「男性ホルモンのバランス」に影響を与える可能性も指摘されています。一部の研究では、高強度の筋力トレーニングなどが、一時的に男性ホルモンであるテストステロンの分泌を高めることが示唆されています。AGA(男性型脱毛症)の主な原因は、テストステロンが変換されたDHT(ジヒドロテストステロン)であるため、テストステロンの急激な増加が、間接的にAGAの進行を早める可能性も否定できません。ただし、この点についてはまだ明確な結論は出ていません。さらに、過度な運動は「肉体的・精神的ストレス」の原因となることもあります。適度な運動はストレス解消に繋がりますが、自分の体力レベルを超えた過酷なトレーニングは、体に大きなストレスを与え、自律神経のバランスを乱し、かえって血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。薄毛対策としての運動は、「適度」であることが重要です。ウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動を中心に、少し汗ばむ程度で、心地よい疲労感を感じるくらいが目安です。
1月25