女性版ハミルトンノーウッド分類とは?

女性版ハミルトンノーウッド分類とは?

ハミルトン・ノーウッド分類は、主に男性のAGA(男性型脱毛症)の進行度を評価するために用いられる分類法ですが、女性の薄毛(FAGA/FPHL:Female Pattern Hair Loss)にも、同様の考え方に基づいた分類法が存在します。それが「ルードヴィッヒ分類(Ludwig scale)」と呼ばれるものです。ルードヴィッヒ分類は、女性の薄毛の典型的な進行パターンである、頭頂部を中心にびまん性(広範囲)に薄毛が広がっていく状態を評価するために開発されました。男性のAGAのように、前頭部の生え際が大きく後退するM字型やU字型になることは比較的少なく、頭頂部の分け目が徐々に太く目立つようになり、全体のボリュームが失われていくのが特徴です。ルードヴィッヒ分類では、この頭頂部の薄毛の進行度を、主に3つのグレード(Grade Ⅰ、Grade Ⅱ、Grade Ⅲ)に分類します。Grade Ⅰ(軽度):頭頂部の分け目が、以前よりも少し太く、地肌が透けて見えるようになってきた状態です。まだ薄毛とは気づかれにくいことが多いですが、本人は髪のボリュームダウンを感じ始めるかもしれません。Grade Ⅱ(中等度):頭頂部の分け目がさらに広がり、地肌の露出がより顕著になります。髪の毛一本一本も細くなり、全体のボリューム感が明らかに失われ、薄毛であることが他人からも認識されやすくなります。Grade Ⅲ(重度):頭頂部の広範囲にわたって著しい脱毛が見られ、地肌が大きく露出した状態です。ただし、男性のAGAのⅦ型のように、完全に脱毛してツルツルになることは稀で、細く短い産毛のような毛髪が残ることが多いとされています。また、ルードヴィッヒ分類以外にも、クリスマスツリーパターン(頭頂部の前方が後方よりも薄くなるパターン)を評価するオルセン分類など、女性の薄毛のパターンをより細かく評価するための分類法も提唱されています。これらの分類法は、医師が女性の薄毛の診断や治療効果の判定を行う際の客観的な指標として用いられます。女性の薄毛の原因は、ホルモンバランスの乱れ、加齢、ストレス、栄養不足など多岐にわたるため、正確な診断と原因の特定が非常に重要です。もし、分け目が目立ってきた、髪全体のボリュームが減ってきたと感じる場合は、専門医に相談し、適切な診断とアドバイスを受けることをお勧めします。