抜け毛が増えてきた、地肌が目立つようになった。その原因がAGAなのか、円形脱毛症なのか、あるいは全く別の何かなのか。自分一人で悩んでいても、その答えは見つかりません。不確かな情報に振り回され、効果のないセルフケアに時間とお金を費やしてしまう前に、まず取るべき最も賢明な行動、それは「皮膚科を受診する」ことです。なぜ、AGA専門クリニックなどではなく、まず皮膚科なのでしょうか。その理由は、皮膚科医が、髪と頭皮に関するあらゆる疾患を網羅的に診断できる「皮膚の専門家」であるからです。あなたの抜け毛の原因は、AGAや円形脱毛症だけとは限りません。フケやかゆみを伴う「脂漏性皮膚炎」や、特定の物質へのアレルギー反応である「接触性皮膚炎」、あるいは白癬菌というカビが原因の「頭部白癬」など、多種多様な皮膚疾患が、抜け毛を引き起こしている可能性があります。一般の皮膚科では、これらの皮膚疾患の可能性も含めて、総合的に頭皮の状態を診察してくれます。特に、円形脱毛症や皮膚炎が原因である場合、その治療は健康保険が適用されます。まずは保険診療の範囲内で、原因を特定してもらうことができるというのは、患者にとって大きなメリットです。もし、診察の結果、円形脱毛症や皮膚炎と診断されれば、そのまま保険適用での治療が開始されます。そして、もしAGAであると診断された場合でも、近年では多くの皮膚科で、基本的なAGA治療薬であるフィナステリドなどを処方してもらうことが可能です。その上で、もしあなたが、より専門的で多様な治療(例えば、注入治療や自毛植毛など)を望むのであれば、その時に初めて、AGA専門クリニックへのステップアップを検討すれば良いのです。まずは、最も可能性の広い入り口である皮膚科で、自分の抜け毛の正体を突き止めてもらうこと。それが、遠回りのようで、実は最も確実で、無駄のない対策へのスタートラインとなるのです。
抜け毛の悩みまず行くべきは皮膚科